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最高裁判所第二小法廷 昭和27年(あ)6419号 判決 1954年12月03日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人杉崎安夫の上告趣意について。

第一審判決が被告人の自白に対する補強証拠として採用した高野源一に対する収税官吏の顛末書中、同人の供述にかかる焼酎の個々の買受の日時、数量は所論指摘のとおりであるが、高野は右のほか昭和二三年三月初旬頃より同年一二月下旬までに数回にわたり、被告人から焼酎二斗を買受けたこと、並びに被告人から買受けた焼酎を同二五年三月二日から同月二三日までに六升五合、同年四月一四日より同月二八日までに一斗三升をそれぞれ他に販売した事実を述べているのであるから、たとえ所論のように個々の買受けの日時、数量において一々被告人の自白と一致しないとしても、右供述の全趣旨を綜合すれば自白が架空でないことを保障するに足るのであり、右のような証拠でも憲法三八条三項の要求する自白の補強証拠となり得ることは当裁判所の判例(昭和二三年(れ)六一号同年一一月五日、並びに昭和二三年(れ)七七号同二四年五月一八日大法廷判決、)の趣旨に照らし明らかであるからこの点に対する原審の判断は正当であり、所論違憲の主張は採用できない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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